羽生結弦選手 2018.2.27
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- Опубликовано: 16 ноя 2024
- 平昌冬季オリンピックで、66年ぶりの男子フィギュアスケート連覇を達成した羽生結弦選手が会見した。
司会 島田敏男 日本記者クラブ企画委員(NHK)
クラブHP:www.jnpc.or.jp...
完璧! 隙のなさに脱帽
いい会見だった。約8年、企画委員として主にスポーツ関係のクラブの会見に関わったが、これほど完璧な登壇者は見たことがない。玉石混淆の質問の全てを拾い、堂々、当意即妙の受け答えで宝石のごとくに光らせた。
会場を俯瞰していた事務局スタッフによると、満場の記者、OBらは羽生の一言一言に一斉に顔を上下に動かし、うなずいていたという。スタンドの観客を自らの世界に引き込む氷上の演技、そのままである。
司会は海千山千のNHK、島田敏男氏。顔も体も幅は半分しかない羽生が大きく見えたのは、その存在感ゆえだろう。座っているだけでオーラを感じたのは、おそらく長嶋茂雄さん以来である。しかもこちらは、語彙に破綻がない。
あまりの隙のなさに、「怖いくらい」「地に足のついた妖精」の感想も聞いた。フリー演目の陰陽師に照らせば、リンクを降りても魔物のごとく、だったかもしれない。
例えば演技後、リンクに大量に投げ込まれた、プーさんのぬいぐるみの行方を問われると、「森に帰りました」と会場の笑いを誘う。「すごく好きな言葉で、一番のファンタジー」と続けながら、これで終わらない。「リアルに言えば、大金払って現地まで来てくださり、高いチケットを入手していただいている。そうしたお金が飛んでいる。経済が回っているなら、それで十分です」
「夢」を語ってよどみない人生論。感謝の心から入る日本人としての誇り。今後挑戦する4回転半や5回転ジャンプには、「もし羽生結弦が跳ぶなら、確実に表現の一部として跳ぶ。それが僕のスタイルですから」と揺るぎない競技観。世界の第一人者としての孤独と、その克服。とてもここには書ききれず、いち早い全文の起こしを事務局に願う。
質問が事前に提示されたとして、回答原稿を準備しろといわれても、こうは書けない。脱帽である。
そして4年後の北京五輪については「もし出るなら、絶対に勝ちたいと思っています」と言い切った。
会場には、中国大使館からパンダのぬいぐるみも届いたのだという。「北京もよろしく」ということだろう。ここで心配になったのは、再びプーさんの行方である。中国では、プーさんが習近平国家主席と似ているとして風刺に使われ、画像が統制対象となっている。2022年は習体制2期目の終盤にあたる。羽生ファンの象徴であるプーさんは、北京に受け入れられるだろうか。
企画委員 産経新聞社特別記者 別府 育郎